なら瑠璃絵に行って、イルミネーションと春日大社の万燈籠を見ました。
なら瑠璃絵は、奈良をイメージしたイルミネーション会場、春日大社・東大寺・興福寺の三社寺をライトアップとの光でつなぐ奈良市の冬のイベントです。
このページでは、なら瑠璃絵の見どころや開催期間、実際に行ってみた感想を紹介します。
なら瑠璃絵とは
奈良絵とは、2019年で10回目の開催を迎えた、春日大社・興福寺・東大寺の3社寺と奈良公園一体を光でつなぐイベントです。
正式名称は「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」。
寺社仏閣の建物や中庭を囲む廊下を意味する「回廊」の言葉のように、イベントで幸せを感じられるようイルミネーションの光で彩られます。
2019年は、なら瑠璃絵10回目のアニバーサリー企画として、1,000個のスカイランタンを飛ばすイベントも開催されました。
なら瑠璃絵の見どころ
なら瑠璃絵は、いくつかのメイン会場に分かれています。
奈良春日野国際フォーラム
「奈良春日野国際フォーラム」では、庭園イルミネーションに作られた「冬七夕ロード」を歩くことができます。
「冬七夕ロード」は有料エリアで、入場料は500円です。
入場料を支払うと、ツバキの花の裏にメッセージが書き込める花短冊をもらえました。
花短冊に願いを書き込んだら、イルミネーションエリアへ。
天の川のように無数のブルーの光が敷き詰められた庭園の中には、奈良のシンボルで神の使いとされる鹿が点在。
ブルーの光の川に佇むシカのイルミネーションを見ながら歩いていくと、花短冊を下げる棚に到着します。
願いが込められた可愛らしい花短冊が、所狭しと下げられていました。
奈良春日野国際フォーラムの無料イルミネーション
奈良春日野国際フォーラムのイルミネーションは、無料で楽しめるエリアもあります。
上の画像は、出口に向かう通路。
カーテン状に下げられた黄金色のイルミネーションの隙間から、光の庭園を見ることができます。
霧が噴射された水路は、少しずつ色が変化するライトに照らされて幻想的な雰囲気に。
松や石が印象に残る日本庭園も、ブルーをメインにライトアップされて、水の中に浮かぶ日本庭園のようでした。
Anniversaryスカイランタン
なら瑠璃絵10周年を記念した、Anniversaryスカイランタンイベントを開催。
1,000個ものスカイランタンが、澄んだ冬の夜空を彩ります。
スカイランタンの参加費は、前売りが2,500円で当日申込みが3,000円。
けっこうなお値段なので、どうしようかと思いつつ、結局ランタンを飛ばすエリアの外から見ることにしました。
ランタンを持った人だけが入るエリアには、紫・オレンジ・赤にぼんやりと輝くランタンを持った人が集合。
カウントダウンに合わせてランタンを飛ばします。
ゆっくりと夜空に上がっていくランタンはとても綺麗。
塔の上のラプンツェルみたいに、見えなくなるまで空高く上がっていくのだろうと思っていたら、上空約15メートルほどの場所でランタンが停止。
あれ?ランタンが飛んで行くんじゃないの?と思っていたら、ランタンは糸で繋がれていて遠くまで飛ばないようになっていました。
上空は飛行機やヘリコプターも飛んでいるし、ゴミの問題もあるので、自由に飛ばすことができないのかもしれません。
塔の上のラプンツェルのような光景をすごく期待していたので、綺麗だけど少しガッカリしたスカイランタンイベントでした。
興福寺の夜間拝観
なら瑠璃絵開催中は、東金堂がライトアップされ、国宝館とともに夜間拝観を実施。
国宝館では阿修羅像をはじめとする、貴重な仏像などを拝観できます。
前回参拝したときは、他の美術展で展示されるため阿修羅像を拝観することができませんでしたが、今回、はじめて阿修羅像を拝観。
少年のような幼さが残るお顔には憂いが満ちる阿修羅像に感激。また拝観したいと思います。
東大寺の夜間拝観
東大寺では大仏殿中門と観相窓が開扉され、3連休中は光による演出が。
雅美が行ったときは受付時間が過ぎていましたが、外門隙間から美しい光に彩られた大仏殿を見ることができました。
間近で拝観することは叶いませんでしたが、大仏殿の窓からは大仏様のお顔も。
中に入ることはできなかったけれど、ライトアップ消灯前ギリギリに行くことができてよかったです。
春日大社の万灯籠
春日大社の参道入口には、「春日大社 節分万燈籠」の掲示が。
節分万燈籠は終わっていますが、なら瑠璃絵でも灯籠に灯りが灯されるため、節分万燈籠の文字を残しているのかもしれません。
上の画像は、春日大社の参道からイルミネーションメイン会場の「春日野フォーラム」に続く道。
カラフルなライトで照らされています。
春日大社本殿に向かう参道のところどころには、数個の光のオブジェが。
神社と雰囲気が合わないという声も聞こえてきましたが、何人もの方が撮影をしていました。
万灯籠を見ることができるエリアは有料で、500円で拝観することができます。
光に照らされた本殿は、普段は見ることができません。
昼間とは全く異なる雰囲気に感動しました。
回廊に吊るされた灯籠に灯りが灯されると、幽玄な雰囲気に包まれます。
灯籠の柄がそれぞれ違うので、好みの柄を探すのも楽しいですよ。
金色の灯籠に明かりが灯ると、さらに華やかな雰囲気に。
建物の軒にずらっと吊り下げられた灯籠は、春日大社ならではの光景です。
かなり古そうな灯籠の中に、ハート型とフクロウのような柄を発見。
ハート型に見えるのは、吉祥文様とされる猪目だろうなと想像しながらパシャリ。
昔は職人さんが手で柄を抜いていたけれど、現在はレーザーで抜けるから手間がかからない分コストが安くなるのでは?と話していた方がいました。
けっこう古そうな灯籠に単純な柄が多いのは、手作業に限界があるからかもしれません。
万灯籠は見たい人がたくさんいるから混雑しているだろうなと思っていたら、思いのほか人が少なくて、ゆっくりと拝観することができました。
お守りや御朱印を授かるだけで帰る人もけっこういるみたいで、有料の回廊は配管しないみたいです。
イルミネーションメイン会場の春日野国際フォーラムは大混雑でしたが、春日大社は人が少なくて拍子抜け。
人が少なかったのは偶然かもしれませんが、ゆっくりと万灯籠を見たい方は、節分万燈籠や中元万燈籠よりも人が少なそうなので、なら瑠璃絵で拝観するのがオススメかも。
戦国武将が奉納した春日大社の灯籠
春日大社では、戦国武将が奉納した釣燈籠を今も当時のままの姿で見ることができます。
上の画像は直江兼続が奉納した釣燈籠。
釣燈籠には『[春日]社[奉]寄進 御立願成就如意處也 慶長五年庚子極月吉日 越後国直江山城守息女敬白』の文字が。
内容を考えると、直江兼続の娘おまつが奉納者となりますが、説明文を読むと、兼続が名を伏せて奉納されたようです。
上の画像の左側が、宇喜多秀家が奉納した釣燈籠。
直江兼続が奉納した釣燈籠の向かって左側に、宇喜多秀家が奉納した釣燈籠が吊り下げられています。
灯籠には『「[春日社]奉寄進 灯籠為國家安全 [武]運長久也 備前中納言秀家敬白 慶長三年戊戌』の文字が刻まれています。
こちらは、三代将軍家光の子である徳川綱吉が奉納した釣燈籠。
徳川家の家紋である三つ葉葵と、裏側には鷹司家の家紋である牡丹がデザインされています。
灯籠に刻まれた文字は「春日社 奉寄進 諸願成就祈所 寛文七年丁未十一月吉日 館林宰相正三位 源 綱吉卿 室」。
室とは、徳川綱吉の正室で鷹司教平の娘の信子を指します。
そのほか、宇喜多秀家、藤堂高虎も見ることができて、戦国武将にあまり興味がなくても歴史の重みを感じることができる時間となりました。
春日大社の回廊を拝観する際には、戦国武将が奉納した釣燈籠を探してみてはいかがでしょうか。
奈良駅からのアクセス
私は近鉄奈良駅前のビジネスホテル「東横イン」に泊まったので、イルミネーション会場や春日大社までは歩いて15~20分ほどで到着しました。
JR奈良駅から歩くと30分ほどかかるので、奈良公園方面行きの路線バスかタクシーを利用するのがオススメです。
2021年の開催期間
なら瑠璃絵は毎年2月に開催されますが、2021年は新型コロナウイルスの流行拡大により開催が決まっていません。
開催か中止かの正式な決定は、2021年1月15日ごろの予定です。
また、開催が決まっても、なら瑠璃絵の通常の内容とは大幅に異なる可能性が高いです。
まとめ
なら瑠璃絵は、昼とは全く異なる奈良と寺社の魅力を感じることができるイベントでした。
一番感動したのは、春日大社の万灯籠。
節分万燈籠と中元万灯籠のどちらかで参拝しようと思っていましたが、いつもスケジュールが合わず、なら瑠璃絵でやっと明かりが灯った釣燈籠を見ることができて大満足。
節分と中元の万灯籠にスケジュールが合わない方は、なら瑠璃絵の開催期間中に参拝してはいかがでしょうか。